経営学部に入ってマーケティングが嫌いになった男

僕が大学に進学するにあたり経営学科を選んだのは、感覚的にわかりやすそうでつぶしが効きそうだったからでした。

 

この商品を売るにはどうしたらいいだろうか。それを考えるのは楽しそうに感じられました。しかし僕にとってそれを考えることは楽しいことではありませんでした。

 

コモディティ化が進み、僕たちが普段から手にする商品に唯一無二のものは無いと言っても過言ではなく、消費者が商品を選ぶ理由のほとんどは価格になっています。その結果、ほとんどの企業(BtoC)は価格で差別化を図るのを諦めて、顧客を洗脳することで自社製品を選んでもらおうとしています。

 

現代のマーケティング学において重要視されているのは顧客の洗脳で、大学では主にロイヤル顧客の創造やブランディングというタイトルで講義が開かれています。

 

原価的に差がないにも関わらずより自社の製品をいいものだと思ってもらい買ってもらえるようにすることに対して負い目を感じないよう、企業は崇高な理念を掲げ、自社の製品が消費者のQOLを高めることができる、顧客に感動を届けることができると自らも騙しているように見えます。

 

3年次にゼミでピックアップされていたトピックはウェブマーケティングでした。商品自体の価値を上げるのではなく、いかにして購入するボタンまで顧客を持っていくかを考えていました。

 

僕にとっては詐欺も顧客を洗脳することも同じように感じて、好きにはなれませんでした。